薩摩焼の発祥と伝統を訪ねて

日置市(旧東市来町)美山の沈寿官陶苑

鹿児島県の日置市(旧東市来町)美山は薩摩焼の苗代川系の窯元が多くある陶芸の街として鹿児島県だけでなく全国的にも有名です。なかでも美山で有名なのが「沈寿官(ちんじゅかん)陶苑」です!

安土桃山時代、豊臣秀吉の命により薩摩藩と島津義弘(島津氏17代)は、慶長の役(1592〜98)に参加します(朝鮮出兵)。その際、島津義弘は朝鮮陶工80数名を連れ帰ります。この朝鮮陶工が薩摩焼の発祥の祖となります。その子孫たちが薩摩焼の歴史と伝統を受け継がれています。

沈寿官陶苑は陶器のショップに加え、陶工さんたちの作業の様子を眺めることが出来ます。また、長い歴史のある「登窯」も見学できます。美山にお越しの際は是非とも見学して頂きたいです。

沈寿官氏の歴史

全国的にも有名な薩摩焼を代表する沈寿官氏ですが、初代、当吉 二代、当壽 三代、陶吉 五代、当吉 七代、当壽 八代、当円 九代、当栄 十代 当珍、十二代沈壽官、十三代沈壽官、十四代沈壽官、十五代沈壽官とその歴史と伝統を受け継がれています。

1873(明治6)年のウィーン万国博覧会に出品された12代沈壽官の作品が好評を博したことはあまりにも有名な話です。

故郷忘じがたく候 薩摩焼の祖、陶工たちの望郷の念、帰郷の思い

美山町の沈寿官陶苑を訪れた司馬遼太郎氏の「故郷忘じがたく候」の記念碑です。司馬遼太郎氏著作の「故郷忘じがたく候」は薩摩焼の祖、朝鮮陶工達の数奇な運命と、やみがたい望郷の念にかられながらも力強く異国薩摩の地に生き続けた子孫たちの痛哭の物語です。

400年以上に渡る長い薩摩焼の歴史の祖となった朝鮮陶工たちは遠い異国の地で多くの苦難にあったにもかかわらず、日本はおろか世界にも認められる「薩摩焼」を発展させ伝統を守り続けました。彼らの多くの功績の裏には望郷の念、帰郷の思いもあったであろうことを想わずにはいられません。薩摩焼にはそのような背景があることも知って欲しいと思います。

沈寿官陶苑

鹿児島県日置市東市来町美山1715
電話:099-274-2358
HP: http://www.chin-jukan.co.jp

沈寿官陶苑の地図はコチラです!



スポンサードリンク


沈寿官陶苑で撮影した一枚です!

  • 薩摩焼の発祥と現在
  • 薩摩焼の歴史
  • 故郷忘じがたく候
  • ヨーロッパの衝撃
  • 薩摩焼の系譜
  • 苗代川系
  • 龍門司系
  • 竪野系
  • 西餅田系
  • 平佐系

  • 芸術としての薩摩焼
  • 黒薩摩について
  • 白薩摩について

  • 薩摩切子
  • 薩摩切子を所有する

  • 薩摩焼の窯元探訪
  • 龍門司焼「次郎太窯」
  • 龍門司焼企業組合
  • 陶夢ランド
  • 美山 沈寿官陶苑
  • 美山周辺の窯元
  • 天降川焼 まほろばの里

  • プロフィール
  • 管理人プロフィール

Copyright © 薩摩焼の発祥と伝統を訪ねて. All Rights Reserved.