薩摩焼の発祥と伝統を訪ねて

故郷忘じがたく候 薩摩焼の祖、陶工たちの望郷の念、帰郷の思い

コチラは、日置市(旧東市来町)美山の沈寿官陶苑の中にある司馬遼太郎氏著作の「故郷忘じがたく候」の記念碑です。

豊臣秀吉の命により薩摩藩と島津義弘(島津氏17代)は慶長の役(1592〜98)に参加します。形勢も不利になった1598年、島津義弘は朝鮮陶工80数名を薩摩へ連れ帰ります。この朝鮮陶工たちが薩摩焼の発祥の祖となる方々です。
400年以上に渡る長い薩摩焼の歴史の祖となった朝鮮陶工たちは遠い異国の地で多くの苦難にあったにもかかわらず、日本はおろか世界にも認められる「薩摩焼」を発展させ伝統を守り続けました。彼らの多くの功績の裏には望郷の念、帰郷の思いもあったであろうことを想わずにはいられません。薩摩焼にはそのような背景があることも知って欲しいと思います。

司馬遼太 郎氏著作の「故郷忘じがたく候」は薩摩焼の祖、朝鮮陶工達の数奇な運命と、やみがたい望郷の念にかられながらも力強く異国薩摩の地に生き続けた子孫たちの痛哭の物語です。運命に翻弄されても異国の地で強く生き、薩摩焼を世界に知らしめた先人の方々にただただ・・・敬意と涙・・・。胸がつまります。

「街道をゆく」でも司馬遼太郎氏は美山を訪れているようです。第14代沈寿官氏と司馬遼太郎氏の親交が伺えます。美山町の沈寿官陶苑を訪れた際は是非ご覧頂き、薩摩焼の素晴らしさにある歴史にも触れて頂ければ嬉しく思います。

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